真面目に、誇りをもって、妥協することなくつくられる醍醐のチーズ。製法は「乳酸菌の発酵」という
シンプルでいて手間のかかる伝統的な方法。そのプロセスを追ってみましょう。
チーズの本場であるイタリアのトスカーナ地方に似た自然環境。
内子町は「日本チーズのメッカになる」といわれています。
山で放牧飼いされる乳牛。ストレスがなく健康だから、おいしいミルクがとれます。
タンクの周りに湯をめぐらせ低温殺菌を行う。低温殺菌することで、栄養分も損なわれず、また生乳の風味が残るおいしい牛乳となります。
ミルクを固める動物由来の成分で
できた酵素(レンネット)を投入。
ミネラルたっぷりの草を食べた乳牛からは、ビタミンEやβカロチンが豊富に含まれたミルクがとれます。市販の牛乳よりやや黄色味のあるミルクからは、コクと風味のあるチーズが生まれます。
チーズの味を大きく決定する原料のミルク。チーズ工房「醍醐」では、通年、山に放牧され、日光を浴び、自然の新鮮な生草を食べて元気に育った乳牛のミルクでチーズをつくります。放牧されることでストレスの少ない、適度に運動をした健康な牛が育ち、タンパク質豊富なチーズ向きのミルクがとれるのです。搾乳のとき使う牛舎も清潔で、「醍醐」では、製造工程の一連において、衛生管理を徹底しています。
搾乳されたミルクは牛舎に隣接する工場へ。搾りたてのミルクの風味を損なうことなく運べるこの近さもおいしさの秘密です。さらに、チーズタンクには、乳質が壊れないよう真空ポンプで吸い上げ、移されます。
低温殺菌したミルクに発酵を促進する乳酸菌を入れます。33℃に保ち、2時間、発酵させます。その後酵素(レンネット)を入れてミルクを凝固させます。多くの工場で、時間短縮や生産性が求められ乳化剤やph調整剤が使われるなか、チーズ工房「醍醐」では、昔ながらの乳酸菌の発酵にこだわっています。
タンクからカードを出し、ホエーを切る。この間も発酵はすすみます。
固まったミルクをダイス状にカット。しばらくすると、白い固形(カード)と黄色の液体(ホエー)に分離します。カードは引き上げてさらにホエーを抜き、各チーズにあわせて成形熟成します。一方ホエーはリコッタチーズの原料になります。すべて発酵の具合を見ながら、人間ではなく乳酸菌のタイミングで作業は進みます。
成形後に白カビを吹きつけ熟成させたトミーノチーズ。トミーノチーズは熟成の進度が変化しやすいので、上下の発酵速度を同じにするため、1日1回反転作業を行います。白カビの具合、硬さをチェックしながらの手作業です。
早くからフェルミエのチーズ製造に着目していた酪農家・山田博文。山地酪農にこだわり、おいしいチーズの原料となるミルクを追求しています。
信頼できるミルクから信頼できる本物のチーズを生みだす。
牧場から望むチーズ工房と牛舎。
工房
牛舎
モッツァレラの成形は80℃のお湯のなかで行います。独特の粘性がでて、繊維状になり、ひとまとまりになったところで、モチのようにちぎります。手作業することで表面に膜ができ、ちぎったへその部分が閉まり、牛乳成分が流れだすことなく旨みが守られます。
一定の温度と湿度が保たれた熟成庫で眠るセミハードタイプのチーズ。棚は湿度を上手にコントロールしてくれ、虫がつきにくい木材を使用しています。ここで6ヶ月間熟成させ市場に出荷します。
限定版のハート型トミーノチーズ。かわいいと好評です。
作りたてのモッツァレラは、
湯気がたっていて本当においしそう。
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